ギャラリー4 : ナバテアの全盛期

ナバテア王国は、紀元前1世紀から紀元後1世紀頃の間に全盛期を迎えます。ラクム(ペトラ)には、宝物殿(エル=ハズネ)に代表されるような岩窟墓が数多く建造されました。この展示では、宝物殿での発掘調査による出土品や、宝物殿の形成過程の3DCG映像、また宝物殿地下の岩窟墓で行われた葬送儀礼の復元展示等を通じて、ナバテア人の死生観に迫ります。

二本笛を吹く男性像 (テラコッタ)

この展示品は、宝物殿、即ちエルハズネの前庭(まえにわ)部分の発掘調査で出土した、音楽を奏でる男性の像です。1世紀前半、ナバテア王国時代のもので、土器で作られています。

この像の男性は、足を組んで椅子に座り、二本が連なった笛を、両手で持って吹いています。文献史料では、ナバテア人の葬礼に関する記述は見つかりません。しかしこの像は、葬礼の際に、悲しげな音色で笛を吹いた場面を、表現しているのではないでしょうか。

オーディオガイドのご視聴はこちら Click here